( BIGLOBEニュースより転載)
ペットの需要が高まる一方で、飼い主による飼育放棄が後を絶たず、動物保護施設に持ち込まれる犬猫の数は、世界的にみても年々増加している。
特にアメリカでは、州によっては保護施設のスペースが足りないことから、犬猫を安楽死させる以外に選択肢がないという悲しい事実があり、去年だけでも733,000匹もの犬猫が殺処分させられた。
しかしデラウェア州は、動物保護施設に預けられた犬猫たちの殺処分が最も少ない州となった。
今後も長期にわたり、州全体が保護施設にいる犬猫の生存率を90%もしくはそれ以上に保つよう、積極的に取り組む姿勢を見せている。

・「ノーキル」ポリシーを実現
アメリカ国内で、小さな海辺のデラウェア州が動物保護施設の犬猫たちの「ノーキル(殺処分しない)」を達成した最初の州になったのは、手厚い保護精神に取り組む福祉団体のサポートがあったからこそといえよう。
全国の保護施設と協力し、安楽死処分に頼らず動物の世話をしている非営利の動物福祉団体「Best Friends Animal Society」の報告では、「ノーキル州」指定の資格を得るためには、全ての州が保護施設の9割の犬猫の命を救う必要があると述べている。
デラウェア州では、保護施設の動物の生存率を90%もしくはそれ以上に保つよう積極的に取り組んでおり、隣のペンシルベニア州とデラウェア州に保護施設を持つ組織「Brandywine Valley SPCA」のサポート活動無しでは容易ではなかったといえる。
Brandywine Valley SPCAでは、1929年の創設以来、動物の福祉を尊重しサポートする取り組みに尽力してきた。
・毎日2000匹の犬猫が安楽死処分に
現在、14000匹以上の犬猫の世話をしているBrandywine Valley SPCAでは、95%の高い確率で、施設内の犬猫が安楽死処分を受けずに、別の住処を見つけているという実績を持っている。
Brandywine Valley SPCAマーケティング・ディレクターのリンダ・トレリさんは、デラウェア州が全国に誇るべき「ノーキル州」になった理由として、次のように話している。
Brandywine Valley SPCA は、デラウェア州内の60%以上、つまり大きな施設の4倍以上にも上る犬猫を保護しています。 少しでも犬猫の殺処分率を減らすため、同施設ではこれまでにも大規模な養子縁組イベントや猫の去勢・避妊手術、低コストの動物病院での治療、教育プログラムおよび犬の行動訓練プログラムといった取り組みを行ってきました。 それらはデラウェア州の動物保護への大きな貢献となっています。ノーキル州になることは、国内の他の州に重要な影響を与えるのです。
現在アメリカでは、毎日2000匹もの犬猫が安楽死処分されているという。犬1匹につき猫2匹という割合だそうだが、この事実はあまりにも悲しい。
・2015年には殺処分ゼロの州を目指して
「ノーキル州」であるためには、殺処分率を10%下回る必要がある。
100%率を求めない理由は、時に犬猫が回復不能な病気や怪我を負った場合、安楽死は依然として最も親切な選択肢であることが認められている故だ。しかし、それはシェルターのスペースを開けるための殺処分とは異なる。
保護施設にいる犬猫たちの10%が安楽死処分を免れることはできなくても、90%もしくはそれ以上の生存率をキープすることで、多くの犬猫たちの命が救われる。
Best Friends Animal Societyのサイトには、「デラウェア州は、安定した持続性で、2025年までに動物保護施設内の犬猫殺処分ゼロを目指すことが期待されている最初の州になっている」と記されている。
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